いよいよ日本は貧しくなり始めているpart1
最終更新: 2020年8月21日

昨年金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」が公表した「老後2000万円問題」。年金以外で2000万円の資金が必要ということですが、今でも何かと話題に上っています。老後のライフスタイルによって変わるので、数字の議論はここではしませんが、不安を覚えた方もいるのではないでしょうか?
心配の種は尽きない「お金」。誰しもゆとりある老後を送りたいと思うはずです。老後は現役時より収入が減る方がほとんどだと思います。もし老後資金に不安があれば、今すぐお金をなんとかして増やさなければなりません。しかし実は日本人は他の国よりお金が増えていないのです。
世界と日本を比較すると、直近20年間での資産の増加率にかなり大きな差があることがわかりました。それを裏付けるデータをご紹介します。
昨年10月、スイスに本社を置く世界最大規模の金融機関であるクレディ・スイス社が「Global wealth report 2019」を発表しました。この中で、2000年から2019年半ばまでの約20年間に、成人一人当たりの金融資産が世界平均では2.3倍に膨らんだのに対して、日本は1.2倍にしかならなかったという残念でショッキングなデータがあります。仮に元手が1000万円とするならば、世界平均は2300万円になったのに対して、日本は1200万円にしかならなかったということです。
もちろんこれは「世界の平均」ですので、資産が2.3倍に増えても、日本人より資産が少ない人々も多くいますが、いずれにせよ日本の資産の伸びはかなり低調だということはハッキリとわかります。
ちなみに私たちの馴染みのある先進国がこの20年でどれだけ資産を増やしたかというと、
アメリカ 2倍
イギリス 1.9倍
フランス 2.6倍

となっており、世界平均に近い伸びを記録しました。
元々豊かな国ですらこれだけ資産を増やしていますから、相対的に日本は貧しくなってしまったと言えるかもしれません。
ではなぜ日本の資産の伸びはこんなにも低調なのでしょうか?
次回はその大きな背景となる日本の資産状況について見ていきましょう。